「心を調える」
法話
2013/07/27
2013年07月27日放送
昨今では忙しさに追われて生活されている人がたくさんいるように思われます。現代の社会自体のスピード化に拍車がかかっています。私自身もそうですがそのような状況ではなかなか心落ち着く暇がありません。
先日、一周忌のご法事に伺った時のことです。娘さんがふと遺影を見つめながら「今日のお母さんの顔が穏やかで笑っているように見える、お葬式の時には小さい頃怒られた時のような顔に見えたんだけどね」とつぶやかれました。私はそれを聞いて「遺影のお顔がよく見えるのは今日のあなたの心が穏やかで落ち着いてご供養できているからではないでしょうか」と申し上げると「そうかもしれませんね」と笑って納得されていました。
写真でさえも心持ちひとつで見え方が違います。そればかりではなく心の動きが安定していないとなかなか正しく行動することが出来なくなります。最近ではオリンピックに出るようなスポーツ選手もメンタルトレーニングを重要視しています。どんな状況に陥っても普段通りの力を発揮するためです。座禅の仕方のひとつに調息(ちょうそく)といって呼吸を調えることを教えています。朝のちょっとした時間で結構ですので静かに呼吸を落ち着かせて心を調える事をおすすめします。そうすれば一日の生活のスタートがゆったりと切れ、仕事にせよ家事にせよ余裕を持って行動できると思います。
まもなくお盆の時期がやってきます。穏やかな心持ちでご先祖様をお迎えしたいものです。
浜頓別町 天祐寺
橋本 英晃
橋本 英晃