行事報告

第26回 禅をきく会

行事報告   2012/10/31

日時:平成24年10月31日(水)午後6時開演~午後8時30分終了
  場所:札幌パークホテル
  講師:由仁町 常福寺住職 山川章順 老師
      元横綱千代の富士 九重親方

冒頭、主催者を代表し藤原重孝教化センター統監が挨拶。二回目の冬を迎える東日本大震災の被災者、福島原発事故で故郷へ帰れない人々へ思いを寄せられました。

禅話は『人は見かけも大事―威儀即仏法 作法是宗旨』と題して由仁町常福寺住職 山川章順老師。第1回から禅をきく会のスタッフとして、企画・立案・運営に携わってこられた、いわば禅をきく会のスペシャリストです。 ご自身の様々な体験や家族の話をユーモアを交えて、威儀と作法に真の仏法が生きていることを敷衍されました。結びに山川老師が永年に亘り師事した、故島崎光雄前統監老師の教えに触れ、「故島崎老師に、どうせ大した話ができないのだから、せめて時間通りに終わりなさい、と言われました。あと1分ほどありますが、そういうことで早めに終わらせて頂きます。」(場内笑い)とされたのがとても印象に残りました。

 次いで、椅子坐禅。今年から『椅子坐禅』のリーフレットが配られました。これは、坐禅の初歩としてとても有効で、参加者にも大変好評でした。
一般講師は九重親方。今回、サプライズとしてNHKアナウンサー刈谷富士雄氏が登場。氏は2004年のアテネ五輪で、「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」 という、名実況で一躍有名になった方です。偶々、九重親方と懇意であるということで、今回、トークショーの形態での講演となりました。刈谷氏は軽妙な話術で九重親方から横綱時代のエピソードを引き出し、興味深い勝負の機微について学ぶことが多々ありました。また、親方は終始、稽古の大切さを強調され「稽古とは、古いことを学び、今やらなきゃならないのは何か、ということを正しく行うこと」と話され、仏道、慕古心と全く同じこと感じ、更に言えば「稽古が全て」とは「修証一如」「坐禅は習禅に非ず、ただこれ安楽の法門なり菩提を窮尽するの修証なり」と共通するものを感じました。

また、今年の新弟子検査の受験者が史上最少の1名であることに触れ、「どこかに入門候補者はいませんか。」と、真剣に呼びかけられていました。また、今時の日本の軟弱な若者たちに苦言を呈しました。
最後に、大相撲クイズをされ正解者に景品をプレゼントするという、サービス精神に満ちた講演となりました。さらに、親方の熱意で終了予定時刻を10分ほどオーバーしましたが、参加者は心温め勇気づけられて、帰途に就きました。 来年も継続して開催を予定しておりますので、お誘い合わせの上ご来場いただきたく存じます。

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