2012年2月4日放送
法話
2012/02/04
2012年02月04日放送
今日は信仰のある生活についてお話しいたします。
現在、仏教の信仰の中心というと「仏像」「経典」「お墓」「仏壇」そして「お寺」が思い起こされますが、これらのものは、お釈迦様が亡くなられたあと、後世の人々によってつくられたものです。「仏像」や「お墓」はお釈迦様や亡き人を偲ぶ追慕の念により、「お経」はお釈迦様の教えを確実に伝えるために、「お寺」は僧侶を育成し、人々に仏法を広めるために造られたのです。
では、お釈迦様を信仰するというのはどういうことをいうのでしょう。永平寺を開かれた道元禅師は、「仏道を志したならば、最初から焼香・礼拝・念佛・お清め・お経といった儀礼を学ぶのではなく、座禅を専らにして身と心を清め、お釈迦様のように生きよ」とのお示しです。
お釈迦様のお言葉に「人間の価値は、その人の生まれや、家柄、地位・財産によって決まるのではなく、その人の清き行いによって決まる」と教えられています。
現代社会において、仏教を信仰するということは、仏さまに手を合わせることは勿論、大切なことではありますが、それ以上に、日頃の自分自身の行いを反省し、背筋を伸ばし、呼吸をととのえ、清らかな行いを積み重ねていくように心がけたいものであります。
余市町 大乗寺
齋藤 亨弘
齋藤 亨弘