2011年9月10日放送
法話
2011/09/10
2011年09月10日放送
曹洞宗大本山永平寺の修行僧は、毎年七月、日本アルプスの霊峰・白山に登り、山頂の白山神社へ詣でます。
数年前、久しぶりに白山に登ってみると、往復十四キロの山道は、なまった体にはあまりにも厳しく、何度も挫折しそうになったものです。 帰宅してから、快適に登山をするにはどのようなトレーニングを積むべきか、色々と調べてみました。結果は「実際に山を登る」という、何とも当たり前の答えでした。 闇雲に登るのではなく、歩幅やペースを考え正しく登る。そこで、近所の小高い丘で何度も何度も訓練を重ねました。 その甲斐あってか、翌年からは景色を眺めたり、写真を撮ったりと、気持ちにもゆとりができ、快適な登山ができました。
同じように、何かを上手くなりたいと思ったら、そのことをやり続けることが一番良い方法です。スポーツでも、料理でも、勉強でも、仕事でも。 そしてもっとも重要なのは正しい方法で続けることです。登山の歩みのように、ペース配分や呼吸、そして体調管理と装備品の手入れなど。ふだんから正しい努力を積み重ねることが大切です。 この「正しく努力をし続ける」ことを仏教では「精進」といいます。
一滴の雨だれでも、長い年月をかけて石に穴を開けることができるのです。
中頓別町 開禅寺
太田 元穂
太田 元穂