2011年7月30日放送
法話
2011/07/30
2011年07月30日放送
あるお檀家さんへお参りに伺った時のことです。
「ごめんください!お寺です。お参りにまいりました。」
「ご苦労さまです。どうぞ!」
「失礼致します。」
そう言って私はいつもの様にお茶間を通り、一直線に仏壇の前に座ってローソクに火を灯し、線香を立てて手を合わせてチーン、チーン、チーンとお勤めを始めました。
でも何だかいつもと違う感じがします。それで仏壇の周りをよく見ると一枚の絵が仏壇の折戸に貼ってありました。その絵は丸刈りにメガネを掛け、黒い服を着て紫の小さなエプロンを着けた私よりちょっぴり若い男性が描かれているのがわかりました。そしてお勤めが終わってもう一度よ~くその絵を見てみると、その絵の左側に平仮名で「ひいばあちゃんのおまいり、いつもありがとう。 はるか」と書いてありました。
私は「この前一緒にお参りをした曾孫さんが描いてくれたんだな」と直感的にそう思いました。そのあとすぐに檀家さんが、「うちのはるかが描いたんだよ。」と教えてくれました。
私は素になって、何度も何度もうれしい、うれしいを繰り返しました。それと同時に色々な疲れや悩みが吹き飛んで、体中にエネルギーが充満してきて、自然と頑張らなくてはという気持ちで一杯になりました。 このひいおばあちゃんの命を受け継いだ、願いや思いがいっぱいつまった曾孫さん、はるかちゃんの行い、あたたかくて思いやりのある言葉、おくりもの、素敵だと思いませんか!
お盆が近づいています。
新得町 永福寺
大崎 道春
大崎 道春