法話

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2011年2月12日放送

法話   2011/02/12
2011年02月12日放送

私のお寺は、日本海沿岸の小平町の鬼鹿という集落にあります。昭和の三十年頃までニシン漁で栄えていましたが、今は、ニシン番屋のみが当時の栄華の名残を留めるだけです。その番屋から程近いところに小さな地蔵堂がひっそりと建っています。この地蔵堂にまつわる不思議な因縁が、地元で語られています。
明治の初め、津軽からヤン衆を乗せてきた船が、鬼鹿沖で遭難しました。船は沈没を防ぐために積荷を海中に投げ捨てましたが、その中に「かぐらさんぼうず」というものがあって、浜に流れ着きました。「かぐらさん」というのは、太い柱の軸にロープを巻きながら物を引くウインチのような道具のことで、その軸を「かぐらさんぼうず」といいます。当時ここでニシン漁をしていたヤン衆たちがこれを見つけ、何度、海中に捨てても、同じところに打ち寄せて来たそうです。
そうしたある晩、この「かぐらさんぼうず」がヤン衆の親方の奥さんの枕元に立って、自分を地蔵としてお祀りしてくれるように願ったということです。奥さんは早速お堂を建ててお祀りし、供養しました。それ以来、鬼鹿はニシン漁の千石場所として栄え、地蔵堂は多くの人が参詣するようになりました。お堂は幾度か火災に遭いましたが、お地蔵さんはそのたび無事であったといわれています。
そして今に至るまで地元の人の厚い信仰を集め、毎年、旧暦の地蔵盆にはお地蔵さんになった「かぐらさんぼうず」の供養祭が行われています。

小平町 興聖寺
仙石 景章

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