2010年12月4日放送
12月は、お釈迦様が長い修行の末、菩提樹の下に座り、七日間座り続けてお悟りを開かれたことから、曹洞宗の多くのお寺で、一日中、坐禅をする、摂心(せっしん)という坐禅会が行われています。
曹洞宗では、「身を正しくして、ただ、ひたすら坐る」という教えを大切にしています。そこで今日は、皆様に坐禅を体験していただきます。
まず、座布団をご用意ください。
座布団を二つに折り、お尻の下にひきます。
次に、右の足を左の股(もも)の上に深くのせ、左の足を右の股の上にのせます。
背筋をまっすぐにのばします。顎を引き、頭で天をつきあげるようにすると、背筋がまっすぐになります。
右の手のひらを上に向け、組んだ足の上に置き、その上に左の手のひらを、同じように上向きにして置いて下さい。両手の親指の先を、かすかに合わせます。
視線は、およそ1メートル前方、ななめ約45度の角度におとして、よそ見をしてはいけません。
きれいに姿勢が整いました。
次に呼吸を整えます。
深々と息を鼻から吸い込み、これを徐々に口から吐き出します。
この深呼吸を数回行った後は、自然と鼻からの呼吸にまかせます。
舌の先を、上の歯の内側の付け根にあて、口を閉じます。
足を組むのが苦手な方は、椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばし、呼吸を整えてください。
このように体を整えることで、心を整えることができます。
坐禅をすることで、身も心も安定し、正しい自分の姿を形作ることができるのです。正しい自分の姿とは、仏様のお姿です。
毎日の生活でも、坐禅をしていたときの静かな心で、仏様の心で過ごすことが大切なのです。
12月8日はお釈迦様がお悟りを開かれた、成道の日です。
お釈迦様に思いを馳せ、坐禅をしてみてはいかがでしょうか。
木村 清憲