2010年11月27日放送
法話
2010/11/27
2010年11月27日放送
私達は、いつも幸せでありたいと願い、幸せを求めて生きています。 また、自分は幸福ではないと思い、幸福をどこまでも追い求め、他の人と比べていまだに不幸だと思って生きているのも私達の姿であると思います。 今、「断・捨・離」といって「断つ、捨てる、離れる」という物質的な幸せを見つめ直すことが静かなブームとなっております。
お釈迦様は『吉祥経』というお経の中で私達に幸せの道を説いておられます。その中で
深い学識があり技術を学び身につけ、身をつつしむことを学んで、正しく話をすること
父と母によく仕え、妻と子を愛し護り、仕事を毎日狂いなく行うこと
他人に、物であれ精神的なものであれ何かを与え、教えに従い正しく行い親族を愛し護り、人から非難を受けるようなことをしないこと
悪しきことを離れ、悪しきことから遠ざかり、飲酒を慎み、徳を積むことを怠らないこと
尊敬と謙遜と、不満を抱くことなく恩を知り、時に応じて教えを聞くこと
などの教えが示され、これらのことを行い実践すれば幸福を得ることができると結んでおられます。
道元禅師様は、「陰徳を積み仏法僧の三宝に対し、心の内に信仰心をもって礼拝すれば、必ず目に見えた幸せをいただくのである」と示されました。 今、私達にとって本当の幸福の道はどこにあるのか、静かに考えてみたいと思います。
愛別町 金剛寺
篁 文雄
篁 文雄