2010年6月5日放送
緑豊かな、良い季節になりました。 子供達は、学年やクラスが変わって二ヶ月経ち、新しい生活に慣れてきたことでしょう。ランドセルを背負った一年生も板についてきたように見えます。
私は、子供の頃勉強が嫌いで、よく怒られました。「なんで勉強をしなければいけないのか?」と考えました。 偉くなるため?いい学校に入るため?お金持ちになるため?答えはいろいろあると思いますが、今になってもっと勉強していればと反省しています。そして親の愛情がわかってきました。
私たちが、この世に生まれて最初の勉強は、お母さんの話を聞くことから始まりますね。お乳を吸いながら、楽しそうに笑ったり、泣いたり…。表情を変えて話しかけてくれる優しいお母さんの顔をじっと見つめ、感情を身につけ、言葉を覚え、人の話がわかるようになってきます。
悲しい話や、愉快な話、おもしろい話などいろいろありますが、私たちはそれを聞くとき、話をしてくれる人と心を通わせ、喜んだり悲しんだりします。心は、そうすることによって段々と深く豊かになっていくのです。相手の話を思いやりを持って聞ける人が、優しい気持ちを持った人なのです。
私たちは、勉強することによって、このやさしい気持ちを身につけるだけではなく、「努力」というものを、学ぶことができます。「努力」とは、なまけることの反対です。
毎日勉強することは、大変で面倒くさい。けれども、勉強していて一番苦しいときに、少しだけ我慢をして努力を続けると、あとは思ったよりらくに進んでいくことができます。
「継続は力なり」この、ほんの少しの我慢を大切にしてほしいと思います。
あなたの幸せを願っている人がいるのだから。
田中 清元