2010年1月2日放送
法話
2010/01/02
2010年01月02日放送
みなさん、明けましておめでとうございます。曹洞宗北海道管区教化センター統監 藤原重孝です。
今年もまた「曹洞宗の時間」を宜しく御聞き取りくださいますようお願い申し上げます。
さて、数年前のある雑誌の調査によると、札幌市の成人男女の約60%が「人生、やりなおしたい派」なのだそうです。
人生は一日一日・一時一時の積み重ねの結果です。「失敗した」「やりなおししたい」という反省や後悔が、より良い人生をつくりあげる力にもなります。
映画作家の大林宣彦さんのお父さんは「他人のようにウマくやるよりも、自分らしく失敗しなさい」と、失敗を恐れない生き方を示されたそうです。
昔、中国の雲門禅師という方が、集まった大勢の修行僧に問いかけました。
「今までのことは問わない。今日、たった今から以降のおまえたちの生き方をひとことでいってみよ」と。
なみいる修行僧に即答するものがいないのをみて、禅師はみずから「日々これ好日」とこたえられたそうです。
私たちはだれしも、さまざまな人間関係・社会との関係などがびっしりと絡み合って、この世で生きて、生かされています。ですから人生をリセットすることはできないのです。
しかし、たとえ失敗しようがつまずこうがいまのこの日を「好日だ」と感じることができるはずです。
人生やりなおしたい派の方も、あるいは、そうでない皆さんも、一日一日・一時一時を、よりよく生きることを心がけて、「日々これ好日」で過ごされることを、心からお祈り申し上げるものであります。
※参考文献 札幌人大調査(平成二年刊)
曹洞宗北海道教化センター
統監 藤原 重孝
統監 藤原 重孝