平成21年度 北海道管区布教講習会開催報告
去る、7月7~8日、札幌市の中央寺を会場に、恒例の管区布教講習会が開催されました。
当日は天候に恵まれ、初夏の陽気。時まさに夏制中の真っただ中です。
講師は、大本山総持寺後堂盛田正孝老師。『教学は教化によって実現する』と題し、二日間に亘り、ご垂訓を頂戴しました。
平常、大本山総持寺にて大衆接化されている老師は、高祖道元禅師がお示しの「百草頭上に大の字を学し来たって、今すなはち自在に大声を作し、大義を説き、大事を了し、大人を接し、者箇一段の大事因縁を成就する者なり。」の大善知識の風格に満てるものでありました。
第一講は、布教者たるわれわれ宗侶の心構えを中心に説かれました。特に、高祖さまの「道心の巻」を挙げられ、「帰依三宝」の大切さと願心を切切と説かれたことは印象深いものでした。
第二講は、具体的に通夜説教の凡例を挙げられ懇切丁寧に解説をいただきました。
また、質疑応答では「自殺者にたいする通夜説教」や「故人について面識のない場合の通夜説教」などについて、参加者より質問が相次ぎました。
閉講にあたり、当教化センターの藤原重孝統監より、「来年の布教講習会も盛田老師に再登板して頂くという約束を頂戴した」という言葉に、会場内から拍手がおこりました。
一般の講師は、札幌市五輪橋産科婦人科病医院名誉院長の丸山淳士先生に「高齢者に対する健康談議の基礎知識」について講話を頂戴いたしました。
冒頭、新型インフルエンザの話題になり、インフルエンザウィルスの生態について、詳細に説明をされました。そこから、個体の病原体に対する抵抗力、また生物が世代を重ねてゆくための法則として、「ハイブリット(交雑)」化が重要であることが説かれました。先生のことばの中、「みなさんお坊さん方も、サラブレット(純粋種)だと、じきに滅びてしまいます。ぜひこの際、ハイブリット化することをお勧めいたします。」は、深く考えさせられるものがありました。
丸山先生のユーモア溢れる内容に、会場内は90分間フルに爆笑の渦に包まれました。
(写真はポーカ・フェイスで場内を笑わせる丸山先生)。
第二日目(8日)
松井宏文老師(第二宗務所人権主事)による人権啓発学習。老師は「宗門の人権啓発」について、歴史的な経過から、現在の問題、さらに将来惹起されるであろう問題点まで、こと細かく説明されました。
理路整然とレジュメにしたがって懇々と説かれる内容に、参加者は熱心に聴講していました。