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お供え物

法話   2019/12/07
2019年12月07日放送

おはようございます、厚岸町 吉祥寺 斉藤章道です。
師走になり、お供え物を持って寺参りという方も いらっしゃるかと思います。
お供え物について 大本山での修行時代に御老師から このような話を聞いたことがあります。
御老師が若い頃、生まれ育った寺で、師匠であり乳でもある住職と二人、毎日の檀務を行っていました。
なかでも法事が忙しく、約束の時間が重なるなどのミスが出ないよう、法事の事前受付は住職が一手に引き受けていたとのこと。

電話でのやり取りを聞いていると、「お供え物の御飯、花、お菓子、果物を用意してください。あともう一つ積み団子を作ってください。作れない場合は寺で準備いたします」との住職の言葉にほとんどの方が「ではお寺で作ってください」と答え、法事の当日にはきれいな積み団子が供えられているのが当たり前になっていました。
ですがある日、粒の大きさも揃っておらず更にはベチャっとつぶれた積み団子が供えられていたのですが、法事のあと住職はその不恰好な積み団子を大変ほめていました。
あとで聞くと
「あの団子は親族全員で手が汚れるのもいとわず丸めたから粒の大きさが揃っていなかった。蒸すのも失敗してつぶれてしまったが、皆の手間や苦労がかかった、心のこもった供物なんだ」と教えてくれたそうです。
この話は
「故人への供養に際して手間や苦労がかかるのをいとわない姿勢や気持ちが大切なんだよ」と教えてくれているように感じます。

寺参りに行きたくとも何かと忙しいし、また今度にしようという場合もあるでしょう。
ですが手間や苦労をいとわずお参りに向かう姿勢は、目には見えない形のないお供え物として故人に届いていくことと思います。

厚岸町 吉祥寺
斉藤章道

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