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吾我、名刺を捨てよ

法話   2019/10/26
2019年10月26日放送

おはようございます、えりも町 法光寺住職 佐野俊也です。
「世のためにつくした人の一生ほど、美しいものはない」作家司馬廉太郎さんは著書「十六の話」の中で、江戸末期大阪で活躍した医師、緒方洪庵をこのように紹介しています。
備中岡山の藩士として生まれた緒方洪庵は、生まれつき病弱でした。そこで少年の頃からいがくを学ぶ志をたて、大阪・江戸、長崎で働きながら、学びを深め、三十九歳で大阪に戻り診療を始めます。同時に若者を教える塾を開きますが、この「適塾」と名付けた塾が素晴らしいのです。その特徴は三つで「一つ、入学試験がなくて誰でも入れる。二つ、全ての入学者が身分に関わらず平等である。三つ、先生は一人だが、よく出来る者が学びの遅い者を教える」というものでした。さらに洪庵は、自分と弟子たちへの戒めとして十二か条の訓戒を残していますが、その第一条は次のような意味です。
「医者がこの世で生活しているのは、人のためであって自分のためではない。只只自分を捨てよ。そして人を救うことだけ考えよ」と。
永平寺をお開きになった道元禅師様は、お弟子達に「吾に拘る心=吾我を捨てよ」「自己の利や名声=名利を離れろ」と常に
お示しですが、この訓戒じゃまさにその通りです。
このような方々の生き方を見ていると「私が、私が」という我室にとらわれ、自己中心に生きている自分が恥ずかしくなります。
「常に謙虚であり、一生学びの精神を持ち続け、人を育てる事に力を尽くした。溺れるほどの実力が有り乍ら、他人のために生き続けた」そんな人の生涯は、本当に美しく、尊く思えるのです。

えりも町 法光寺
佐野俊也

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