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「万物尖新(ばんもつせんしん)」

法話   2017/04/01
2017年04月01日放送

今日から四月一日、新年度です。ここ北海道も長い冬がやっと終わり新緑の春を迎えます。春分の日から少しずつ昼の時間が長くなり、毎日そのことが実感されます。北海道の春はモノクロの世界であった冬から色にあふれた世界へと劇的な変化を見せ、喜びもひとしおであります。そんな春の始まりである新年度最初の日を、それぞれにいろいろな環境でお迎えのことと存じます。
中には何も変わらないという人もいらっしゃるかもしれませんが、多くの方は新しい学校、新しい職場、新しい立場など状況が変化していることと思います。
禅の言葉に「万物尖新(ばんもつせんしん)」という言葉があります。この言葉は法要儀式の中に出てくる言葉で非常に重要な言葉です。
万物これは-すべてのものという意味でよろずという字に物の字を用います。尖新-これは尖るという字に新しいという字を用います。つまりこの言葉の意味するところはすべてのものは丁度この春の木の芽のように常に新たに芽吹いているということであります。何が芽吹くのかというと仏性-仏心といってもよいでしょうが人間が持っている本質即ち仏性ということであります。
春風に吹かれて新緑の木の芽が芽吹くのは分かり易く目に鮮やかに映る現象です。しかし、木の芽は冬の寒風に晒されることがなければ芽吹きません。新緑の木の芽は実は既に厳寒の真冬の中で始まっているのです。取り巻く環境が冬と見えても春と見えても芽吹くべき新芽が自身の中に実は存在しているのです。
「万物は尖新」です。
全ては日々刻刻に新しいのです。

札幌市 養福寺
河村 康秀

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