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2013年12月14日放送「心の持ち方 How to have your mind」

法話   2013/12/14
2013年12月14日放送

みなさんは鉛筆の持ち方をいつ覚えたのでしょうか?いつのまにか、手習いをしているあいだに身についたことでしょう。しかし、三本の指で鉛筆を持つことはとても難しいことのように思えます。今では親指と他の指で挟むような持ち方が普通になっています。親指一本が我を通しているようなその持ち方は、自分にこだわる自己表現なのでしょうか。自分を主張しなければ生きる価値がなくなるという偽りの恐れから身を守るために無意識に抵抗の親指を立てているのでしょうか。
子どもたちはあまりにも早くから鉛筆やお箸を持たされます。すべては形から始まりますが、よい持ち方を身につける年齢になる前に、よい点数をとることや、口に食べ物を運ぶことに心を奪われているようです。もしその必要がないならば、彼らは鉛筆をもたずに指先でものを書き、手づかみでものを食べることでしょう。この先彼らが、満点や満腹という結果に心を囚われ、型の習得や日の当たらぬ訓練という原因に意識が及ばぬ人になるのは偶然ではないのです。
「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」と申しますが、夕べに死すことにこだわっていては、朝の道もそぞろに聞いてしまうことでしょう。本日お話した鉛筆を持つ3本の指のこころとは、心を保つかたちです。一本では「指すこと」「なぞること」しかできない。二本では「摘むこと」「挟むこと」しかできない。三本でようやく「持つこと」「保つこと」ができるようになるのです。

南富良野町 全昌寺
大神 裕全

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