行事報告

第27回 禅をきく会

行事報告   2013/11/06

日時:平成25年11月6日(水)午後6時開演
  場所:札幌パークホテル 2階パークホール
  参集:約700名
  講師:松前町 法幢寺住職 木村清韶 老師
      小説家 京極夏彦 氏

今年の北海道は雪も遅く好天に恵まれる中、第27回禅をきく会を開催することができました。一般の方や僧侶などを合わせて約700名が参集し、道外から来られた方の姿も見られました。
禅話の講師は北海道第一宗務所所長、松前町法幢寺住職木村清韶老師。「無財の七施」と題して豊富な知識と経験を通しての布施行の実践についてお話をいただきました。

禅話が終了後、教化センターの指導のもと、札幌禅林青年会にご協力いただいてのいす坐禅の実践。途中には札幌市瑞現寺副住職齋藤正憲師による御詠歌の奉詠がなされ、暫しの静寂のひとときを体験していただきました。

休憩を挟んで一般講師としてお越しいただいた小説家京極夏彦氏に「日本文化と妖怪」と題してお話をいただきました。日本文化における妖怪の存在、またそもそも妖怪という概念が最近できたものであるなど非常に興味深い内容でした。例えば「ぬりかべ」という言葉(現象)はあるが実際に我々が想像するような「ぬりかべ」というものの実体は存在しなかった。それを具現化したのが京極氏の師匠でもある水木しげる氏でありそれが我々の知るところの「ぬりかべ」という妖怪となったなど。さらに「妖怪」というものがどういうもので、またそれがどのように日本文化に根付いていったのかなどとてもおもしろい講演でした。また京極氏は90歳を過ぎてもなお精力的に活動されている水木しげる氏の話をされ、「妖怪を知っていたからと言って何の役にも立たないものではありますが、心のどこかに置いておくことでなんとなく生きやすくなったり暮らしやすくなったりするものなんです」と締めくくられ、ゆとりのある豊かな人生を送るために日本文化が作り上げた妖怪をもっと利用してはどうかと伝えられました。

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