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2012年5月12日放送

法話   2012/05/12
2012年05月12日放送

中国大陸に凡そ1500年頃前に、「梁」という国がありました。そこの皇帝がインドから渡航し、後に中国禅宗の創始者となった達磨さんに、「私は数多くのお寺を建てたりしているが、どんな功徳(幸運や恵みやご利益)がありますか」との問い掛けに、達磨さんは「無功徳(何もありません)」と、答えたそうです。 達磨さんにお褒めの言葉を貰えると期待していた皇帝は落胆されたそうです。見返りを求めて行う打算的な行為を、真の善行ではないと諭しだったのです。

皆さんもご存知の「河合隼雄さん」の書物の中に、自宅介護のおじいちゃんが、急に怒りだすので子供達は手に負えないと悩んでいるお話が掲載されています。 しかし、おじいちゃんは無闇矢鱈に怒っているのでは無く、「お水を持ってきましたよ」と、言えばいいのに、なぜ子供たちは「お水を持ってきてあげましたよ」と言うのか、自分はかつて子供達に対して「育ててあげたよ」とか、「お金をもうけてきてやったよ」などと、言った事は無いのに、今なぜ親に対して、恩着せがましく言われる事に耐えられない趣旨の事が書かれていました。

先程の「梁の皇帝」も「おじいちゃんのお話」と同様に、私達は何に対しても「してあげたのだから」、ともすれば何らかの恩恵を受けれるという整合性を持ちますが、今のおじいちゃんのお話のように、慈しみの心で私達を見守ってくれる親心に感謝したいですね。

今年は5月13日が母の日ですし、来月には父の日が来ます。どうか見返りを求めない無償の功徳で優しく見守ってくださる、親御さん・旦那さん・奥さんに、また不幸にして他界された親御さん・ご先祖様・旦那さん・奥さん・そして、お世話になった方々に「ありがとうございます」と、素直に言いたいものです。

そして、自分の子・他人の子と区別しないのが本当の親の慈愛であるように、すべてのご年配の方に、自分の親として暖かく接していけたら本当の功徳を積む事になるのです。

砂川市 天津寺
滝本 浩典

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